すっころんだ日
タイトルどおり、なんのヒネリもありません。一昨日、すっころびました。東京は青山で。それも「つまづいた」とか「ころんだ」という、たとえば擬音でいうならばコテッとかバタンなどではなく、スッテンコロリという表現以外のなにものでもない、まさに「すっころんだ」というやつです。これは人間いざやろうと思ってもおそらくなかなかできないことでしょう。「ころぶ」とか「コケる」ということはあるかもしれないしできるかもしれませんが「すっころぶ」くらいのレベルになると一般人にはかなり難しいのではないでしょうか。お笑い芸人でも見るものをアッと言わせるほど気持ちのいいコケかた、ころびかたができる人はそうはいないと思われます。しかしまた、シロウトはシロウトであるがゆえに、時として役者や芸人をも凌駕するような瞬発力をみせることがあるのも事実です。それは神様のほんの気まぐれ、あるいはビギナーズラックと呼ばれるものかもしれません。そしてそんな瞬間が私にも訪れた、というわけです。
季節であれば何かしらの緑が芽吹いているであろう植え込み部分。暖冬とはいえ今は土の剥き出しになっている、車道と歩道とをわけるそのわずかなエリアを守るかのようなパイプ状の柵。高さ30センチにも満たないほどのささやかなその囲いはしかし、これまで多くの人たちによって難なく乗り越えられてきた。それはこの日の私も含めて…の筈だった。
何の抵抗もなく着地した右足に続いて乗り越えてくるはずの左足の自由が利かない。
「!……」
反射的に高さをとって乗り越えようとあげた左足は、再び固まって動かない。まるで見えない何かの力でガッチリ掴まれているかのように…。そこから先はスローモーションだった。踏ん張りきれなくなった右が滑り出し、バランスの崩れた身体は宙を舞い、滑稽なくらいにあっけなく地面に転がった。全ての糸が切れたあやつり人形のように。
長い、長い一瞬だった…。
…とまあ、ようは大都会で白昼すっころんだってだけなんですが、自分でも感心するくらい見事なころびっぷりだったので、せっかくなので書いておくことにしたわけです。ここまで派手にころんだのは十数年ぶりくらいでしょうか…。やはり東京、JR五反田駅で転がって以来になります。あの頃、あちこちの駅では床が緑色に塗装されていました。やや艶のあるこの緑の塗料、乾いている時はいいんですが、雨が降ったりして濡れるとかなりツルツルと滑りやすくなるので危ないなあと思っていたのでした。きっと汚れを付きにくくするためか、掃除をしやすくするために塗ったのだろうけど、革靴なんかだと特に滑りやすいらしく、それまでにもサラリーマンやおばちゃんがスッテン!というのを何度か目撃していたのでした。ついに自分がころんだ時、一緒にいて大笑いしていた友人は「まるでバナナの皮を踏んで滑ったマンガを見ているようだった」と語っていました。それでも彼の大笑いにいくらか救われた気持ちになったものです。
時はながれ、久しぶりにすっころんだ時、僕は一人きりでした。この時「仲間」って大事なんだな、とその大切さを痛感しました(←違)。
しかし、恥ずかしいという気持ちと同時に、もしこれだけのこけっぷりが舞台の上であったなら、と一瞬考えてしまった自分がいたことも確かです。実際、このあいだの名古屋のステージで調子こいて飛び跳ねているときに、足元後方のモニタースピーカーに何度かつまづいていたのですが、その時ふと、このまま派手にコケたらどうなるかな…なんてことが脳裏をよぎったものでした。
ともあれ、たかだかころんだということだけで引っぱって、こんな長文を書くというのもどうなんだろう?と今更ながら考えてみたりするわけですが、ま、特にケガもなく無事だった証と思って笑ってお許しください。しいて言えば柵にひっかかった左足のスネに多少擦り傷ができましたが。
オレもとうとう、スネに傷持つオトコになっちまったか…ふっ……
…しみるなァ……(特に風呂場で)
季節であれば何かしらの緑が芽吹いているであろう植え込み部分。暖冬とはいえ今は土の剥き出しになっている、車道と歩道とをわけるそのわずかなエリアを守るかのようなパイプ状の柵。高さ30センチにも満たないほどのささやかなその囲いはしかし、これまで多くの人たちによって難なく乗り越えられてきた。それはこの日の私も含めて…の筈だった。
何の抵抗もなく着地した右足に続いて乗り越えてくるはずの左足の自由が利かない。
「!……」
反射的に高さをとって乗り越えようとあげた左足は、再び固まって動かない。まるで見えない何かの力でガッチリ掴まれているかのように…。そこから先はスローモーションだった。踏ん張りきれなくなった右が滑り出し、バランスの崩れた身体は宙を舞い、滑稽なくらいにあっけなく地面に転がった。全ての糸が切れたあやつり人形のように。
長い、長い一瞬だった…。
…とまあ、ようは大都会で白昼すっころんだってだけなんですが、自分でも感心するくらい見事なころびっぷりだったので、せっかくなので書いておくことにしたわけです。ここまで派手にころんだのは十数年ぶりくらいでしょうか…。やはり東京、JR五反田駅で転がって以来になります。あの頃、あちこちの駅では床が緑色に塗装されていました。やや艶のあるこの緑の塗料、乾いている時はいいんですが、雨が降ったりして濡れるとかなりツルツルと滑りやすくなるので危ないなあと思っていたのでした。きっと汚れを付きにくくするためか、掃除をしやすくするために塗ったのだろうけど、革靴なんかだと特に滑りやすいらしく、それまでにもサラリーマンやおばちゃんがスッテン!というのを何度か目撃していたのでした。ついに自分がころんだ時、一緒にいて大笑いしていた友人は「まるでバナナの皮を踏んで滑ったマンガを見ているようだった」と語っていました。それでも彼の大笑いにいくらか救われた気持ちになったものです。
時はながれ、久しぶりにすっころんだ時、僕は一人きりでした。この時「仲間」って大事なんだな、とその大切さを痛感しました(←違)。
しかし、恥ずかしいという気持ちと同時に、もしこれだけのこけっぷりが舞台の上であったなら、と一瞬考えてしまった自分がいたことも確かです。実際、このあいだの名古屋のステージで調子こいて飛び跳ねているときに、足元後方のモニタースピーカーに何度かつまづいていたのですが、その時ふと、このまま派手にコケたらどうなるかな…なんてことが脳裏をよぎったものでした。
ともあれ、たかだかころんだということだけで引っぱって、こんな長文を書くというのもどうなんだろう?と今更ながら考えてみたりするわけですが、ま、特にケガもなく無事だった証と思って笑ってお許しください。しいて言えば柵にひっかかった左足のスネに多少擦り傷ができましたが。
オレもとうとう、スネに傷持つオトコになっちまったか…ふっ……
…しみるなァ……(特に風呂場で)
by cicocico
| 2007-01-26 02:28
|
Comments(5)
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by
りか
at 2007-01-26 09:21
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今回もかなり楽しませてもらいました(*>v<)
さすが芸人魂!(?)転んだときにそんないろんなことを考えるとは…尊敬です☆
でもほんとにスネの傷くらいだったならかなり運動神経がよいのでは…。私はこの年で、体幅感覚がないのかよく転んだり階段から落ちたりびつけたりするのですが、そんなだからだいたい体のどこかにあざがあります(>_<)
ちこさんももしかしたら気付いてないだけでおしりや見えにくいところに大きいのができてるかもよ〜(´∀`)
なにはともあれ、おだいじにっ☆
さすが芸人魂!(?)転んだときにそんないろんなことを考えるとは…尊敬です☆
でもほんとにスネの傷くらいだったならかなり運動神経がよいのでは…。私はこの年で、体幅感覚がないのかよく転んだり階段から落ちたりびつけたりするのですが、そんなだからだいたい体のどこかにあざがあります(>_<)
ちこさんももしかしたら気付いてないだけでおしりや見えにくいところに大きいのができてるかもよ〜(´∀`)
なにはともあれ、おだいじにっ☆
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by
ruru
at 2007-01-26 10:44
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そ~!転んだとき その場をどうやり過ごして立ち去るのか・・
笑って立ち去りたいけど 一人ではそうもいかないんですよね~´
私もホント転んでた人なので 友達がいる時と一人の時 どちらも経験済み。 よぉく分かりますよ。仲間の大切さ・・・^^;
時が流れた頃に またすっころぶ日がくるかもしれない・・
お互い気をつけて歩いてゆきましょうね。
笑って立ち去りたいけど 一人ではそうもいかないんですよね~´
私もホント転んでた人なので 友達がいる時と一人の時 どちらも経験済み。 よぉく分かりますよ。仲間の大切さ・・・^^;
時が流れた頃に またすっころぶ日がくるかもしれない・・
お互い気をつけて歩いてゆきましょうね。
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at 2007-01-26 11:52
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2007-02-02 01:11
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2007-02-03 02:23
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