今さらっと秋
先月の終わりくらいになってからようやく傘いらずのすばらしいお天気が続いた東京地方。やっと秋らしくなってきたなあなんて思ったところで立冬も過ぎました。この秋はどうにもすっきりしない日が多かったためか、あまりあてなき散策(徘徊)ができなかった私ですが、そこそこあてのある散策というか目標を持った散歩はいくつかできたので「え?そこは行ったばかりでしょ?」とか「さっき食べたばかりだよ」などと言われないよう自分のためにも今さら軽く記しておこうと思います。
やはり「芸術の秋」と言いますから、たまにはそういうものに触れて心を豊かにしようと思っていたところ、ちょうど好きな画家さんの展覧会があることを知り、これはいい機会だとばかりに国立新美術館に初めて行ってきました。どうやら人気も高くかなりの混雑が予想されていたのですが、確かに平日の午前中にもかかわらず開場前にすでに4〜50人ほどが列をなしていました。館内は外国の方も含めたくさんの人が熱心に鑑賞しており、私もそんな人々の隙間スイッチを縫ってなるべく空いていそうな絵を見つけて素早く移動してはじっくりと眺め、名画というものを堪能させていただきました。その後、外に出てみるとそこは名だたる六本木。平日のギロッポンは国籍も様々なたくさんのビジネスマンやOLの方々が行き交っておりいかにもな感じ(何が?)で、おのぼりさんの私などはやや気圧されてしまいます。まさに六本木ヒルム(まさにじゃねえよ)。そこで心の中で後ずさりながらふと月島に行ってみようと思いつきました。地下鉄に乗れば銀座や有楽町といった都会の一等地からほんの数分の距離にもかかわらず下町の風情が漂うそのあたりで気持ちを落ち着かせてみようと思ったのです。月島にはずいぶんずいぶん前に通りかかったことがありましたが、やはり都心に近いからかその頃すでに大きなマンションが建ち始めていました。今はどうなっているのでしょうか。これまたずいぶんずいぶん久しぶりの大江戸線に乗ってやってきました月島駅。地上に出てみてあらビックリ。周辺はキレイに整備され、またタワーマンションの数も増え見違えるようです。でもなんでしょう、海の気配というか川の気配いうか水場に囲まれているからなのか、やっぱりどこか都会とは違った雰囲気が感じられました。そして向かったのは佃。江戸時代に築かれた佃島の痕跡を一度見てみたかったのです。駅前には案内板もありますし歩いてほんの3〜4分の距離でしたので、いかに散策における勝負弱い私といえども迷うことなくたどり着けました。赤い佃小橋のかかる小さな堀割りに囲まれた一角は昔の町割りや老舗の佃煮屋さんが残っており実にいい風情で、徘徊オジサンとしては川風に吹かれながら十分に往時をしのぶことができました。ところで後日知ったのですが、実は佃島はふたつの島からなっていたのですね。佃小橋を渡る手前の側も小さな島だったようで、今はすっかり周りと地続きになっていますが地図を見ると、なるほどそこだけ区割りが周りとは明らかに違っており、堀割りを挟んだ大小ふたつの島だった様子がうかがえます。そういえば通りからえらく細い路地が並んでいるなあと思ってたんだよねえ。いずれまたそのあたりもじっくり見てみたいと思います。…んー、あまり芸術って感じでもなかったか。まいっか。
by cicocico
| 2018-11-14 00:38
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