鎌ヶ谷の長い一日〈4〉
さて、今回のためのリハで各曲について光田さんからそれぞれ細かく指示があった中で、特に気をつけたのはシンバルのボリュームです。曲中でクレシェンドのロールで盛り上げる部分がよくありますが、最初の頃はつい気持ちが入り過ぎて音が大きくなり過ぎてしまったことがありました。そうなるとせっかくの弦の響きが台無しです。これまでけっこうアコースティックなバンドはやってきたにも関わらずこのていたらく。うーむ。この頃は思うに、というか間違いなく20周年バンドの余韻を引きずっていたんでしょうね、ハイ。そしてこういう編成で演奏する際のコツを光田さんからはアドバイスされました。またドラムの代わりにリズムで支える小バンドよりも、ブリトリではさらに音数は少なくということも意識としては持っておきました。もちろん曲にもよりますが実際、あまりリズムに走ると逆にパーカッションだけどんどん浮いてしまうことがあったのです。
「そうだよねぇ、ここにはギターすらいないんだもんねぇ…」
小編成バンドにもいろんな楽器の組み合わせがありますが、私は、そうだブリトリはピアノ三重奏なんだということを思い出したのです。その昔、初めて「ピアノ三重奏」という言葉を聞いててっきり、ピアノ3台で合奏するんだ!?と驚いた私に光田さんは、ピアノとバイオリンとチェロの組み合わせのことだよと丁寧に教えてくれたのでした。ピアノ三重奏というひとつの決まった形式があるのですからそこを尊重しつつ、あまりリズムとか支えるという意識にこだわらず、時にはピアノあるいはチェロにのっかる感じでもいいんじゃないか。私はそういうふうにイメージするようにしました。確かにピアノもある意味リズム楽器ですからね。
えー、鎌ヶ谷に戻ります。ここでモリタクさんのソロ。バッハの無伴奏バイオリンソナタは圧倒的のひと言でした。クラシックにあまり縁のない私ですがこれは相当な演奏力が必要だってことはわかります。てか絶対そうでしょう。が、それをフツーの顔して弾いちゃうんだよこのおじいちゃんは!何なんですかいったい!ただただ脱毛です。おじいちゃんに負けないくらいに。スタジオでチラッとのぞいた譜面なんて細かい音符がビッシリ並んでてQRコードかと思いましたよ。読み込んだらクーポン出てくるんじゃないだろか。そしてそんな素晴らしい演奏から『やさしさに変わるから』へ。何の違和感無く自然に歌の世界へ導くものすごい導入部になってたわけですが、こういう発想ができるのが光田さんの音楽に対する造詣の深いところですねえ。ここでも間奏をはじめ荒井さんのグロッケンが光ります。僕も何度も演奏したことのある曲ですが、パーカッション的には今回はコンガなどの皮モノを中心にしたアレンジにガラッと変更され、やはりなかなか楽はさせてもらえないのでした。うう脳が。
そしてブリリアントリオのアルバムタイトルにもなっている『出逢い』は、コーラスを入れての演奏は初めてなんだそうです。これがまた自然でねえ、シンプルなのに奥行きと広がりが…っておんなじこと言ってる気がしますが本当にそう感じるんだから仕方ないよなあ。そう、よくチェロって人間の声に最も近い楽器って言われるでしょう?てことはきっと人の声とも相性がいいわけでしょう?てことはシンコちゃんと加藤さんと荒井さんのコーラス隊みたいなものじゃない?でもって加藤さんはモリタクさんのバイオリンに匹敵する程の(←だからどんなたとえだ)声でしょう?これはもう弦あるいは声のカルテットだなあと思ったわけですよ。そんなブリトリの二乗とでも言うようなことになっちゃってるんだからそりゃもう広がるよねえ。前に、このくらいの会場だとお客さまの表情もわかって演奏にも力が入るって言いましたけど、この曲では特に気持ちは込めても力は込めないよう、自分の中のこの歌の淡く切ないイメージ、風景のようなものをこわさないように気をつけました。なつかしい曲が続いて『帰郷』。これも聴くとすぐ映像が浮かんでくるようないい曲です。それと個人的にはなぜか今は遠くへいってしまったギタリストのことを思い出すんです。なんでだろ。一緒にこの曲を演奏したこともあるその方は、今は故郷の広島にいるんですけれど元気かなあ。疲れやすいヒトだったからなあ。そして今、かわってコーラスをとるお二方は、歌以外に小物パーカッションも担当してくれました。たぶん普段楽器をさわることなんてないでしょうし、ましてや歌いながらとなると難易度高いよねえ。それでも光田さんの容赦ない(ウフ♡)指導のもとガンバってくれました。オツカレサマです。
昼の部、前半の最後は『スクリーンの夢』。勢いのある曲がついに出ました。こういう編成でもこれだけ迫力のある演奏ができるんだといつも思います。もちろん弱いところは弱く、弦のピチカートも生かすようにしたり。今回はイントロに加藤さんと荒井さんの二声が重なったことでよりいっそう雰囲気が濃くなったよねえ。いやあコーラスラインのカッケーこと!そして当然ながらここでもシェーカーやカシシなどのパーカッションを駆使するお二方。こういう曲ではより重要度が増しますからね。難易度も増すけども。それでも光田さんの容赦ない(ウフフ♡)指導のもとガンバってくれました。ホントにオツカレサマです。あ、ちょっと待て。オレもガンバったんだよこの曲は。光田さんの口パーカッション(※ボイパではない)と生パーカッションとの掛け合い。つーか、ムチャ振りに対して楽器で応えるコーナーなんだけどいつからこうなったんですかこの曲は。おかげでたくさんの機材に加えてこの曲専用おもちゃ箱を持って行くはめになるし。何が必要になるか(というより何を言い出すか)わからないんだもの。だからもう搬入時からガンバってたオレ。まあでもお客さまが喜んでくれたからそれでいいのか。オツカレサマです。
ここでちょっと休憩。ふう。
《続く》
「そうだよねぇ、ここにはギターすらいないんだもんねぇ…」
小編成バンドにもいろんな楽器の組み合わせがありますが、私は、そうだブリトリはピアノ三重奏なんだということを思い出したのです。その昔、初めて「ピアノ三重奏」という言葉を聞いててっきり、ピアノ3台で合奏するんだ!?と驚いた私に光田さんは、ピアノとバイオリンとチェロの組み合わせのことだよと丁寧に教えてくれたのでした。ピアノ三重奏というひとつの決まった形式があるのですからそこを尊重しつつ、あまりリズムとか支えるという意識にこだわらず、時にはピアノあるいはチェロにのっかる感じでもいいんじゃないか。私はそういうふうにイメージするようにしました。確かにピアノもある意味リズム楽器ですからね。
えー、鎌ヶ谷に戻ります。ここでモリタクさんのソロ。バッハの無伴奏バイオリンソナタは圧倒的のひと言でした。クラシックにあまり縁のない私ですがこれは相当な演奏力が必要だってことはわかります。てか絶対そうでしょう。が、それをフツーの顔して弾いちゃうんだよこのおじいちゃんは!何なんですかいったい!ただただ脱毛です。おじいちゃんに負けないくらいに。スタジオでチラッとのぞいた譜面なんて細かい音符がビッシリ並んでてQRコードかと思いましたよ。読み込んだらクーポン出てくるんじゃないだろか。そしてそんな素晴らしい演奏から『やさしさに変わるから』へ。何の違和感無く自然に歌の世界へ導くものすごい導入部になってたわけですが、こういう発想ができるのが光田さんの音楽に対する造詣の深いところですねえ。ここでも間奏をはじめ荒井さんのグロッケンが光ります。僕も何度も演奏したことのある曲ですが、パーカッション的には今回はコンガなどの皮モノを中心にしたアレンジにガラッと変更され、やはりなかなか楽はさせてもらえないのでした。うう脳が。
そしてブリリアントリオのアルバムタイトルにもなっている『出逢い』は、コーラスを入れての演奏は初めてなんだそうです。これがまた自然でねえ、シンプルなのに奥行きと広がりが…っておんなじこと言ってる気がしますが本当にそう感じるんだから仕方ないよなあ。そう、よくチェロって人間の声に最も近い楽器って言われるでしょう?てことはきっと人の声とも相性がいいわけでしょう?てことはシンコちゃんと加藤さんと荒井さんのコーラス隊みたいなものじゃない?でもって加藤さんはモリタクさんのバイオリンに匹敵する程の(←だからどんなたとえだ)声でしょう?これはもう弦あるいは声のカルテットだなあと思ったわけですよ。そんなブリトリの二乗とでも言うようなことになっちゃってるんだからそりゃもう広がるよねえ。前に、このくらいの会場だとお客さまの表情もわかって演奏にも力が入るって言いましたけど、この曲では特に気持ちは込めても力は込めないよう、自分の中のこの歌の淡く切ないイメージ、風景のようなものをこわさないように気をつけました。なつかしい曲が続いて『帰郷』。これも聴くとすぐ映像が浮かんでくるようないい曲です。それと個人的にはなぜか今は遠くへいってしまったギタリストのことを思い出すんです。なんでだろ。一緒にこの曲を演奏したこともあるその方は、今は故郷の広島にいるんですけれど元気かなあ。疲れやすいヒトだったからなあ。そして今、かわってコーラスをとるお二方は、歌以外に小物パーカッションも担当してくれました。たぶん普段楽器をさわることなんてないでしょうし、ましてや歌いながらとなると難易度高いよねえ。それでも光田さんの容赦ない(ウフ♡)指導のもとガンバってくれました。オツカレサマです。
昼の部、前半の最後は『スクリーンの夢』。勢いのある曲がついに出ました。こういう編成でもこれだけ迫力のある演奏ができるんだといつも思います。もちろん弱いところは弱く、弦のピチカートも生かすようにしたり。今回はイントロに加藤さんと荒井さんの二声が重なったことでよりいっそう雰囲気が濃くなったよねえ。いやあコーラスラインのカッケーこと!そして当然ながらここでもシェーカーやカシシなどのパーカッションを駆使するお二方。こういう曲ではより重要度が増しますからね。難易度も増すけども。それでも光田さんの容赦ない(ウフフ♡)指導のもとガンバってくれました。ホントにオツカレサマです。あ、ちょっと待て。オレもガンバったんだよこの曲は。光田さんの口パーカッション(※ボイパではない)と生パーカッションとの掛け合い。つーか、ムチャ振りに対して楽器で応えるコーナーなんだけどいつからこうなったんですかこの曲は。おかげでたくさんの機材に加えてこの曲専用おもちゃ箱を持って行くはめになるし。何が必要になるか(というより何を言い出すか)わからないんだもの。だからもう搬入時からガンバってたオレ。まあでもお客さまが喜んでくれたからそれでいいのか。オツカレサマです。
ここでちょっと休憩。ふう。
《続く》
by cicocico
| 2016-03-10 23:12
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Comments(2)
Commented
by
更夜
at 2016-03-10 23:36
x
cicoさん、こんばんは♪
そしてお疲れ様です~。
あの日を思い出しながら、楽しく読ませて
いただいています。
私、音楽のことがよくわからないので、
いろいろそうなんだ~とか、
笑わせてもらったりしながら楽しんでます。
ピアノ三重奏、勉強になりました(^^ゞ。
cicoさん、いったい何種類の楽器を演奏されたんでしょ。
そして、ブログ、お疲れ様です。
ゆっくり休んで、また続きをぜひ♪
読ませていただき、ありがとうございました。
そしてお疲れ様です~。
あの日を思い出しながら、楽しく読ませて
いただいています。
私、音楽のことがよくわからないので、
いろいろそうなんだ~とか、
笑わせてもらったりしながら楽しんでます。
ピアノ三重奏、勉強になりました(^^ゞ。
cicoさん、いったい何種類の楽器を演奏されたんでしょ。
そして、ブログ、お疲れ様です。
ゆっくり休んで、また続きをぜひ♪
読ませていただき、ありがとうございました。
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by
cicocico at 2016-03-13 18:50
>更夜さん
よく「バカも休み休み言え」といいますが、
これは「バカが休み休み書く」ブログです。
なかなかゴールに近づきませんが、使用上の注意をよく読んで、無理のない範囲でおつき合いいただきますようお願いします。
どぞよろしこ!
よく「バカも休み休み言え」といいますが、
これは「バカが休み休み書く」ブログです。
なかなかゴールに近づきませんが、使用上の注意をよく読んで、無理のない範囲でおつき合いいただきますようお願いします。
どぞよろしこ!