鎌ヶ谷の長い一日〈1〉
【これまでのおさらい】
光田さんの2月のバースデーライブと1月の20周年記念ライブ、さらに言えば昨年12月にゲスト出演していただいたStyle-Oのライブと、あまりにも楽しくなつかしく幸せな日々を過ごしてしまった「私」は、およそ2ヶ月に及ぶアイドリング高めの知恵熱状態の反動から、ちょっとした虚脱感に陥りすっかりフヌケ野郎になってしまう。その後何とか気合いを入れてお礼の言葉を述べたものの、結局早起きは三文以上お徳というところで力尽きたのだった。
******************
2月13日の朝。予定通り8時半のオトコとなった私はすみやかに機材搬入を開始しました。MT Milly's さんはビルの2階にありながら非常に搬入しやすい作りになっていて、私は自前の台車も駆使しかなりスピーディーワンダーに運び込めたのですが、それでもステージですべてのセッティングを終える頃には時計は10時を回っていました。順次サウンドチェックを済ませてリハーサルに残された時間はわずか1時間ほど。全曲はあたれないので大事なポイントだけ確認するようにしてかなり端折っていく中、これまでまったくさわっていなかった肝心のブリリアントリオのインスト3曲をここで初めて演奏。それでもすぐにピタッとハマるのはさすがお三方。健ちゃんモリタクさんシンコちゃん息ピッタリお口スッキリクロレッツじゃないですか!このとき私は客席で見ていたんですがここは本当に響きのいいホールなんですね。弦やピアノのふくよかで繊細でやわらかい音色に身を委ねているとそのまま眠ってしまいそう。朝早かったし。ちがうって。ちなみに本番では『The Age of Reason』『アリオーゾ・エレガンテ~arioso ed elegante』『ムーサの果実』の3曲だけは演奏者用のモニターを切って演奏されました。光田さんの提案で試してみたところまったく問題なかったのです。弦など普段は生音でやることが多いですからね。それだけ演奏しやすかったってことでしょう。そうこうするうちにリハ終了。すかさず木佐美さんがピアノの再調律に入りますがもう開場の時間です。今日は夜の部もあるので押すわけにはいきません。と、舞台監督に何ごとか叫ぶ木佐美さん。
「とりあえず開けていいので明かりは消してください!」
なるほど、調律自体はお客さまがいても大丈夫だけど照明がついてると目立っちゃうからということのようです。そこでフトこう言ってみました。
「せっかくだからそんな幕開けはどう?オープニングアクト『ザ・調律』みたいな」
「絶対ヤダ!!」
速攻断られました。ちぇ。すごすごと楽屋に戻る私。てか時間ないんだから余計なことしてないで早く支度しろって。イソイソと衣装に着替えていると弦の調子を確かめるようにバイオリンとチェロの音が聞こえてきます。ちょっと離れた通路ではこの日も加藤さんが熱心に発声練習中。メインの健一さんとシークレットメンバーの健一さんも身支度を整えて、慌ただしい中にもキンチョー感と期待感が高まってきました。しかしシークレット「メンバー」ってなんスか?出したいのか出したくないのかよくわからん。毎度のことながら色々とよく考えつくもんですねえメインの健一さんは。楽しい仲間が増えるのはうれしいことですが、しかし出演する以上はいろんなことをやらされるのがこの現場の伝統です。私もこれまで何度か「ゲスト」という立場で出演したことがありますが、それがたとえシークレットであろうとスペシャルであろうとおかまいなしに、演奏はもちろんのこと司会やその他諸々の仕事をこなしたものです。そしてその伝統は今、若手の荒井さんにしっかり受け継がれているのでした。今回ほとんどの曲にコーラスで参加するだけでなく、小物パーカッションやリコーダーにグロッケンまで演奏した荒井さん。このグロッケンが効いてましたねえ。こういう編成こういうアレンジだからこそより効果的だったと思います。最初のうちこそ叩く時の力加減に戸惑ったりうっかり隣の鍵盤を叩きそうで緊張しますと言っていましたがけっこう練習したんでしょうね、あまり時間のない中でどんどん上達していって、本番では曲によって固さの違うマレットも使い分けて優しく彩りをそえてくれました。
さあ開演の時がきてオープニングのSEが流れ始めると、光田さんがメンバーを集めみんなで輪になって手を重ねました。本番に向けて気合いを入れようというのです。
光田「じゃあ僕がせーの!って言ったらみんなは『ほぇあ〜〜』って言ってくれる?いい?せぇーの!」
一同「ほぇあぁ〜〜〜…」
光田「ヨシ!気合い入ったな」
ヨシじゃねえし!むしろ抜けるし!!とそんなやりとりがありすっかり脱力、じゃなくて適度にリラックスした我々はいよいよステージに向かったのでありました。
《続く》
光田さんの2月のバースデーライブと1月の20周年記念ライブ、さらに言えば昨年12月にゲスト出演していただいたStyle-Oのライブと、あまりにも楽しくなつかしく幸せな日々を過ごしてしまった「私」は、およそ2ヶ月に及ぶアイドリング高めの知恵熱状態の反動から、ちょっとした虚脱感に陥りすっかりフヌケ野郎になってしまう。その後何とか気合いを入れてお礼の言葉を述べたものの、結局早起きは三文以上お徳というところで力尽きたのだった。
******************
2月13日の朝。予定通り8時半のオトコとなった私はすみやかに機材搬入を開始しました。MT Milly's さんはビルの2階にありながら非常に搬入しやすい作りになっていて、私は自前の台車も駆使しかなりスピーディーワンダーに運び込めたのですが、それでもステージですべてのセッティングを終える頃には時計は10時を回っていました。順次サウンドチェックを済ませてリハーサルに残された時間はわずか1時間ほど。全曲はあたれないので大事なポイントだけ確認するようにしてかなり端折っていく中、これまでまったくさわっていなかった肝心のブリリアントリオのインスト3曲をここで初めて演奏。それでもすぐにピタッとハマるのはさすがお三方。健ちゃんモリタクさんシンコちゃん息ピッタリお口スッキリクロレッツじゃないですか!このとき私は客席で見ていたんですがここは本当に響きのいいホールなんですね。弦やピアノのふくよかで繊細でやわらかい音色に身を委ねているとそのまま眠ってしまいそう。朝早かったし。ちがうって。ちなみに本番では『The Age of Reason』『アリオーゾ・エレガンテ~arioso ed elegante』『ムーサの果実』の3曲だけは演奏者用のモニターを切って演奏されました。光田さんの提案で試してみたところまったく問題なかったのです。弦など普段は生音でやることが多いですからね。それだけ演奏しやすかったってことでしょう。そうこうするうちにリハ終了。すかさず木佐美さんがピアノの再調律に入りますがもう開場の時間です。今日は夜の部もあるので押すわけにはいきません。と、舞台監督に何ごとか叫ぶ木佐美さん。
「とりあえず開けていいので明かりは消してください!」
なるほど、調律自体はお客さまがいても大丈夫だけど照明がついてると目立っちゃうからということのようです。そこでフトこう言ってみました。
「せっかくだからそんな幕開けはどう?オープニングアクト『ザ・調律』みたいな」
「絶対ヤダ!!」
速攻断られました。ちぇ。すごすごと楽屋に戻る私。てか時間ないんだから余計なことしてないで早く支度しろって。イソイソと衣装に着替えていると弦の調子を確かめるようにバイオリンとチェロの音が聞こえてきます。ちょっと離れた通路ではこの日も加藤さんが熱心に発声練習中。メインの健一さんとシークレットメンバーの健一さんも身支度を整えて、慌ただしい中にもキンチョー感と期待感が高まってきました。しかしシークレット「メンバー」ってなんスか?出したいのか出したくないのかよくわからん。毎度のことながら色々とよく考えつくもんですねえメインの健一さんは。楽しい仲間が増えるのはうれしいことですが、しかし出演する以上はいろんなことをやらされるのがこの現場の伝統です。私もこれまで何度か「ゲスト」という立場で出演したことがありますが、それがたとえシークレットであろうとスペシャルであろうとおかまいなしに、演奏はもちろんのこと司会やその他諸々の仕事をこなしたものです。そしてその伝統は今、若手の荒井さんにしっかり受け継がれているのでした。今回ほとんどの曲にコーラスで参加するだけでなく、小物パーカッションやリコーダーにグロッケンまで演奏した荒井さん。このグロッケンが効いてましたねえ。こういう編成こういうアレンジだからこそより効果的だったと思います。最初のうちこそ叩く時の力加減に戸惑ったりうっかり隣の鍵盤を叩きそうで緊張しますと言っていましたがけっこう練習したんでしょうね、あまり時間のない中でどんどん上達していって、本番では曲によって固さの違うマレットも使い分けて優しく彩りをそえてくれました。
さあ開演の時がきてオープニングのSEが流れ始めると、光田さんがメンバーを集めみんなで輪になって手を重ねました。本番に向けて気合いを入れようというのです。
光田「じゃあ僕がせーの!って言ったらみんなは『ほぇあ〜〜』って言ってくれる?いい?せぇーの!」
一同「ほぇあぁ〜〜〜…」
光田「ヨシ!気合い入ったな」
ヨシじゃねえし!むしろ抜けるし!!とそんなやりとりがありすっかり脱力、じゃなくて適度にリラックスした我々はいよいよステージに向かったのでありました。
《続く》
by cicocico
| 2016-03-03 22:02
|
Comments(2)
Commented
by
更夜
at 2016-03-03 23:50
x
cicoさん、こんばんは♪
まだライブが始まっていないのに、この楽しさ。
ライブの日を思い出しながら、
わくわくしながら、読ませていただいています。
長ーい1日、続きを楽しみにしています(^^)。
あ、いえ。
決して、プレッシャーをかけてるわけではないですよっ
まだライブが始まっていないのに、この楽しさ。
ライブの日を思い出しながら、
わくわくしながら、読ませていただいています。
長ーい1日、続きを楽しみにしています(^^)。
あ、いえ。
決して、プレッシャーをかけてるわけではないですよっ
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Commented
by
cicocico at 2016-03-05 07:52
>更夜さん
おはようございます。
気がつけば3月。
月もかわってお仕置きされてもいけないので、リハビリも兼ねてボチボチ書いておりますが、まあ基本的にはバカブログなので、何とはなしにゆるゆるとお読みいただければ幸いです。オホホ。
おはようございます。
気がつけば3月。
月もかわってお仕置きされてもいけないので、リハビリも兼ねてボチボチ書いておりますが、まあ基本的にはバカブログなので、何とはなしにゆるゆるとお読みいただければ幸いです。オホホ。