またぞろ虫がうずきだす
めずらしく何の予定もなかった先週13日の金曜日。ただでさえ春が近づいてうわついた気分になっているところにきて、この日は風もなくよく晴れたもんですからさあ大変。一刻も早く出歩かなければ!ってことで久々にフラフラと散策(徘徊)することにしました。といっても人混みに流されて変わっていく私を遠くから叱られるのはイヤなので、大都会やわざわざ遠方の観光地景勝地へ出かけることは避け、ま、いつものようになんてことない近いところをウロツイてみることにしました。とりあえずなんにも考えず駅まで行き、たまたま来た電車に乗ってみるということだけ決めました。するとどうでしょう、
「もしもし、お兄さん…」
家を出て早々に背後から呼び止められました。ドキッとして振り返ると今追い越したばかりの小柄なお爺さんが私をジッと見ています。もちろん見知らぬ人です。
(ヤベ…なんだろ?なんか失礼なことしたかな…)
たちまちキンチョーする小心者の私。ジェイソンには気をつけていたのにジイサンは無警戒だった!
「カバンが開いてますよお」
えっ!?と見ると背中のリュックのチャックが開いていててろ〜んとなっていたのです。ありゃりゃ。
「うわスイマセン。どうもありがとうございました」
私はその親切なお爺さんにお礼をのべ、なんとなく早足に歩き去りました。ひえぇ…お爺さん、勝手にキンチョーしてなんかスイマセンでしたぁ。
なだ早々にそんなイベントを開催してしまいながらも無事駅までたどりついた私。なんとなくスイカのチャージ残高を確認してから自動改札を抜けました。そして先にホームに入ってきたのは下り。赤い京急の電車です。
(そういえば早咲きの桜が見頃だったかな…)
あちこちポスターも貼られていたのを思い出した私は、土日は混みそうだけど今日は一応平日だし大丈夫だろってことで、三浦海岸の河津桜を見にいくことにしました。左手に海を眺めながら電車は快走。駅に着くと、おおそれでも思った以上に老若男女けっこうな人々が下車していきます。
(…うーん……よし、やめよう!)
あまのじゃくな私は人混みに流されて変わっていって遠くから叱られるのを避け、終点の三崎口で降りることにしました。思いついたのは小網代の森です。貴重な生態系が残るこの森は保全のための活動が続けられていたのですが、散策路などの整備が完了した昨年に一般開放されたのです。なかなか行く機会がなかったのですが、人々が桜に気をとられているスキにコッソリ(する必要はないけど)この貴重な森を体験してみようと思ったのです。もちろん事前に何の下調べもなく出てきた私は、駅でも特に道を聞いたり調べたりすることはせず歩き出しました。今日はフラフラと散策(徘徊)することが目的なのですからあまりキチンと調べたりせず、基本行き当たりバッタリでいいのです。ただ、そういう趣味があるわりには小心者のため、時に地元の人に話しかけられてキンチョーしたり、東室蘭後藤さん事件のようなことをおこしてしまうのですが。
(*なんのこっちゃ?という方はコチラの記事をご参照ください)
さてそんな私がまず目指したのは三戸浜です。ほとんどの人がバスに乗り継いで油壺や三崎に向かう中、季節外れの小さな海岸に向かう人はほとんどありません。小心者のフラフラオヤジには好都合ではありませんか。フラフラオヤジ略してフラオヤジ。そんななんだかフラガールっぽいフラオヤジは国道から横道に入ります。なんでそっちに向かったかというと、実は以前にもこのあたりをフラフラしたことがあり、大きなスナフキンを救助しかけたりしたのですが、その散歩で三崎方面にさまよい歩いていく途中に確か小網代の森をかすめたのを覚えていたからです。人けのない歩道を歩いてゆくとだんだん畑が広がってきました。空も広いし桜こそないものの、土手には名前はわからないけど小さな花が群れ咲いていてオレンジ色が鮮やかだし、遠くにおぼろに富士山も見えたりして気分はグングングルト急上昇。そしておお!なんと大きなスナフキンもいたではありませんか!ちょっと汚れてるようだったけど元気そうでなによりだよ。イヤそうでもないか。ただ、記憶だとそのあたりで曲がって行った気がするんだけど、今日はなんか警備のおじさんがいてそっちには入れてくれそうもない雰囲気です。ダンプも出入りしてるし工事でも始まったんでしょうか。まあ他からも行けないことはないだろうと、そのまま先へ進んで行きました。道ばたに咲いている菜の花が大根の葉や春キャベツの緑に映えて気分はさらにグングングルト急上昇。そんな気分的には充実の散策(徘徊)でしたが、結果からいうと小網代の森へは行けませんでした。だいたいこっちかなあと進んで行った道は畑の先で途切れ、そこから崖を下るとどうもプライベートビーチみたいになっているようで海岸に沿って行くこともできないようでした。
(*帰宅してから調べたら、やはり三戸浜方面からは小網代には行けないのでした。やっぱりスナフキンのところを曲がるんだったのね)
そこでいさぎよくあきらめ、同じ道を戻るのもなんだし代わりに三戸浜を見て行こうと再び方針を変更。海は見えてるのだからどこかに降りる道があるだろうと歩き続けましたがそんなものはどこにもナッシング。最後にもうここしかないと踏んだ道も、崖の上の畑の端ですぐ下に砂浜は見えるのに残念行き止まり。万事休しました。すごすご途中まで引き返して急坂を下り、違う道を歩いて駅へ戻ることにしました。まあ戻るったってこの時点で地図もないしそもそも初めて歩くところなんですから自分のカンだけが頼りなんですが。そして人はそういう時に限って道を尋ねられたりするものです。カンナビゲーションにしたがって進む私の前方に、小さい子ども連れでハイキングにきたとおぼしきリュックを背負った女性が2人、なにやらキョロキョロ話し合っています。
(ヤベ…絶対道聞かれる……)
たちまちキンチョーする小心者の私。一瞬引き返そうかと思う間もなく私を見つけたその女性の1人が、
「すいません、海岸はどちらかしら?」
と尋ねてきました。普通の町を地元の人のフリして歩くのが好きな私ですし、そもそもあてもなく家を出てきたのでこの日もまた近所に買い物にでも行くぐらいの普通の格好でしたから、もしこのあたりの住人と見られたとすれば、それはある意味思惑通りともいえるのですが、
(あぁ…オレ、ここの人間じゃないんだけど……)
なんとも面倒な小心者。しかしそんな感じはおくびにも出さず、
「ハイハイ、あ、地図とかお持ちですか?」
と返しました。私はその女性たちが話している姿を見た時、地図らしきものを手にしているのを見逃さなかったのです。地図さえあれば何とかなる!そんなとっさの判断がありました。こんな程度の地図なんですけど、と渡されたそれは、確かにそれほど詳細なものではありませんでしたが、そこに『光照寺』という文字を見つけました。それはたった今私が通り過ぎてきたお寺です。
(!…ということはここを反対側へ行けばいいんだから…)
地図の読める男は確信しました。
「ええっとですね、すぐ先がこのお寺なので、そこを右に行くと海の方向です」
「すいません、ありがとうございました。さあみんな行くよ〜」
確信したわりに『海岸です』ではなく『海の方向です』と言ってしまうあたりが弱虫!消防署のほうから来ましたっつって消火器売りつけるのに似てるじゃねえか。ウウシクシク…。
(*帰宅してから調べたら、ちゃんと海に出られることがわかりました。よかったぉ…)
そうしてその後、なるべく違った道で帰ろうと選んだルートでたちまちさっき来た道に出てしまった私。地図は読めても持ってなけりゃ役に立たないことを思い知らされました。カンナビゲーションも不調。ちぇ。まあでも楽しい1日でした。懲りずにそのうちまた行くぜ。
そして、見たあとは食べた。
「もしもし、お兄さん…」
家を出て早々に背後から呼び止められました。ドキッとして振り返ると今追い越したばかりの小柄なお爺さんが私をジッと見ています。もちろん見知らぬ人です。
(ヤベ…なんだろ?なんか失礼なことしたかな…)
たちまちキンチョーする小心者の私。ジェイソンには気をつけていたのにジイサンは無警戒だった!
「カバンが開いてますよお」
えっ!?と見ると背中のリュックのチャックが開いていててろ〜んとなっていたのです。ありゃりゃ。
「うわスイマセン。どうもありがとうございました」
私はその親切なお爺さんにお礼をのべ、なんとなく早足に歩き去りました。ひえぇ…お爺さん、勝手にキンチョーしてなんかスイマセンでしたぁ。
なだ早々にそんなイベントを開催してしまいながらも無事駅までたどりついた私。なんとなくスイカのチャージ残高を確認してから自動改札を抜けました。そして先にホームに入ってきたのは下り。赤い京急の電車です。
(そういえば早咲きの桜が見頃だったかな…)
あちこちポスターも貼られていたのを思い出した私は、土日は混みそうだけど今日は一応平日だし大丈夫だろってことで、三浦海岸の河津桜を見にいくことにしました。左手に海を眺めながら電車は快走。駅に着くと、おおそれでも思った以上に老若男女けっこうな人々が下車していきます。
(…うーん……よし、やめよう!)
あまのじゃくな私は人混みに流されて変わっていって遠くから叱られるのを避け、終点の三崎口で降りることにしました。思いついたのは小網代の森です。貴重な生態系が残るこの森は保全のための活動が続けられていたのですが、散策路などの整備が完了した昨年に一般開放されたのです。なかなか行く機会がなかったのですが、人々が桜に気をとられているスキにコッソリ(する必要はないけど)この貴重な森を体験してみようと思ったのです。もちろん事前に何の下調べもなく出てきた私は、駅でも特に道を聞いたり調べたりすることはせず歩き出しました。今日はフラフラと散策(徘徊)することが目的なのですからあまりキチンと調べたりせず、基本行き当たりバッタリでいいのです。ただ、そういう趣味があるわりには小心者のため、時に地元の人に話しかけられてキンチョーしたり、東室蘭後藤さん事件のようなことをおこしてしまうのですが。
(*なんのこっちゃ?という方はコチラの記事をご参照ください)
さてそんな私がまず目指したのは三戸浜です。ほとんどの人がバスに乗り継いで油壺や三崎に向かう中、季節外れの小さな海岸に向かう人はほとんどありません。小心者のフラフラオヤジには好都合ではありませんか。フラフラオヤジ略してフラオヤジ。そんななんだかフラガールっぽいフラオヤジは国道から横道に入ります。なんでそっちに向かったかというと、実は以前にもこのあたりをフラフラしたことがあり、大きなスナフキンを救助しかけたりしたのですが、その散歩で三崎方面にさまよい歩いていく途中に確か小網代の森をかすめたのを覚えていたからです。人けのない歩道を歩いてゆくとだんだん畑が広がってきました。空も広いし桜こそないものの、土手には名前はわからないけど小さな花が群れ咲いていてオレンジ色が鮮やかだし、遠くにおぼろに富士山も見えたりして気分はグングングルト急上昇。そしておお!なんと大きなスナフキンもいたではありませんか!ちょっと汚れてるようだったけど元気そうでなによりだよ。イヤそうでもないか。ただ、記憶だとそのあたりで曲がって行った気がするんだけど、今日はなんか警備のおじさんがいてそっちには入れてくれそうもない雰囲気です。ダンプも出入りしてるし工事でも始まったんでしょうか。まあ他からも行けないことはないだろうと、そのまま先へ進んで行きました。道ばたに咲いている菜の花が大根の葉や春キャベツの緑に映えて気分はさらにグングングルト急上昇。そんな気分的には充実の散策(徘徊)でしたが、結果からいうと小網代の森へは行けませんでした。だいたいこっちかなあと進んで行った道は畑の先で途切れ、そこから崖を下るとどうもプライベートビーチみたいになっているようで海岸に沿って行くこともできないようでした。
(*帰宅してから調べたら、やはり三戸浜方面からは小網代には行けないのでした。やっぱりスナフキンのところを曲がるんだったのね)
そこでいさぎよくあきらめ、同じ道を戻るのもなんだし代わりに三戸浜を見て行こうと再び方針を変更。海は見えてるのだからどこかに降りる道があるだろうと歩き続けましたがそんなものはどこにもナッシング。最後にもうここしかないと踏んだ道も、崖の上の畑の端ですぐ下に砂浜は見えるのに残念行き止まり。万事休しました。すごすご途中まで引き返して急坂を下り、違う道を歩いて駅へ戻ることにしました。まあ戻るったってこの時点で地図もないしそもそも初めて歩くところなんですから自分のカンだけが頼りなんですが。そして人はそういう時に限って道を尋ねられたりするものです。カンナビゲーションにしたがって進む私の前方に、小さい子ども連れでハイキングにきたとおぼしきリュックを背負った女性が2人、なにやらキョロキョロ話し合っています。
(ヤベ…絶対道聞かれる……)
たちまちキンチョーする小心者の私。一瞬引き返そうかと思う間もなく私を見つけたその女性の1人が、
「すいません、海岸はどちらかしら?」
と尋ねてきました。普通の町を地元の人のフリして歩くのが好きな私ですし、そもそもあてもなく家を出てきたのでこの日もまた近所に買い物にでも行くぐらいの普通の格好でしたから、もしこのあたりの住人と見られたとすれば、それはある意味思惑通りともいえるのですが、
(あぁ…オレ、ここの人間じゃないんだけど……)
なんとも面倒な小心者。しかしそんな感じはおくびにも出さず、
「ハイハイ、あ、地図とかお持ちですか?」
と返しました。私はその女性たちが話している姿を見た時、地図らしきものを手にしているのを見逃さなかったのです。地図さえあれば何とかなる!そんなとっさの判断がありました。こんな程度の地図なんですけど、と渡されたそれは、確かにそれほど詳細なものではありませんでしたが、そこに『光照寺』という文字を見つけました。それはたった今私が通り過ぎてきたお寺です。
(!…ということはここを反対側へ行けばいいんだから…)
地図の読める男は確信しました。
「ええっとですね、すぐ先がこのお寺なので、そこを右に行くと海の方向です」
「すいません、ありがとうございました。さあみんな行くよ〜」
確信したわりに『海岸です』ではなく『海の方向です』と言ってしまうあたりが弱虫!消防署のほうから来ましたっつって消火器売りつけるのに似てるじゃねえか。ウウシクシク…。
(*帰宅してから調べたら、ちゃんと海に出られることがわかりました。よかったぉ…)
そうしてその後、なるべく違った道で帰ろうと選んだルートでたちまちさっき来た道に出てしまった私。地図は読めても持ってなけりゃ役に立たないことを思い知らされました。カンナビゲーションも不調。ちぇ。まあでも楽しい1日でした。懲りずにそのうちまた行くぜ。
by cicocico
| 2015-03-17 00:57
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