セレブな旅仕事をゆるやかに振り返る(7)
【9月23日 17:00 父島出港】其の弐
釣浜で心の底からボーッとした我々はまた森の中の急坂をエッチラオッチラ上っていきます。できれば缶ビールでも片手にもっと眺めていたかったという恩田さんのつぶやきに、イヤでも飲んじゃったらもうここ上るの無理ですよ一生浜で暮らすことになりますよハハハハ、と吉澤さんからツッコミが入ります。何気に思いのほか過酷だった山道をようやく抜けて街に帰ることにします。やはり昨日見おろした二見漁港を横目に湾岸通りをスイスイ。そしてせっかく小笠原に来たんだからと昼食は島寿司をいただくことにしました。実は昨日、飛鳥Ⅱの夕食でも供されおいしかったのですが、上品だったそれに比べさすが地元でしょうか、洋ガラシもしっかりきいていて大変おいしゅうございました。ついでに注文したカメ刺しもクセのないお味でおいしくいただきました。本当なら島に泊まってこういうところで島酒をチビチビやりてえよなァ、という恩田さんに一同深く深くうなずいたのでありました。いやごちそうさまでした。
さて、港で椎名さんたちと合流し、お土産物など買い込んで船に戻ることに。なんかもうあっという間だったなあ…というつぶやきが誰からともなく漏れてきます。遊びじゃなくて仕事で来たんですけども。そうして後ろ髪引かれつつ父島を離れた一同は再び船上の人となりました。やがて出港の時が近づきます。セイルアウェイパーティーが開かれるというので早めにデッキへ出てみると、もうすでにたくさんのお客さまがグラスを手に手に語らっていました。
すでにロープもはずされて。ブイブイ。じゃなくてバイバイ。
なぜか演歌が流れていた。
ふと椎名さんを見つけたので、僕らもグラスを片手に比較的すいていた船の後部に移動しました。ほどなく大きな汽笛を合図に飛鳥Ⅱをゆっくりゆっくり動き出します。一艘のタグボートが最後まで方向転換のお手伝い。そうしてあの有名なお見送りの風景へ。手を振りながら並走する地元の漁船やクルーザー。そしていってらっしゃい!のかけ声とともに海へダイブする時にはデッキから大歓声があがりました。
(やっべぇ…目から汗が出てきやがる……)
そんなカッコをつけるヒマもなく、素直に椎名さんと2人でウルウルしていたオヤジでありました。テレビなどで見て知ってはいたものの、実際にそんなシーンを目の当たりにするとやっぱり感極まるものです。それに個人的にはちょっと伏線がありまして、先ほどの作業を終えたタグボートだけは並走せずにその場で見送っていたのですが、飛鳥Ⅱがちょうど二見湾から出たところで不意に甲高い汽笛を鳴らすと、きびすを返して港へ戻っていったのです。それはまるで我が子の旅立ちの無事を見届けた母親のようでした。ってあ、ここは父島なんだから父親でしたか。どうでもいいすか。ともかくそんな姿にグッときて汽笛も切なく胸に突き刺さっちゃったもんだから、それでもうココロのダムはいっぱいいっぱいだったのです。ウルウルですんでよかったぉ…。
釣浜で心の底からボーッとした我々はまた森の中の急坂をエッチラオッチラ上っていきます。できれば缶ビールでも片手にもっと眺めていたかったという恩田さんのつぶやきに、イヤでも飲んじゃったらもうここ上るの無理ですよ一生浜で暮らすことになりますよハハハハ、と吉澤さんからツッコミが入ります。何気に思いのほか過酷だった山道をようやく抜けて街に帰ることにします。やはり昨日見おろした二見漁港を横目に湾岸通りをスイスイ。そしてせっかく小笠原に来たんだからと昼食は島寿司をいただくことにしました。実は昨日、飛鳥Ⅱの夕食でも供されおいしかったのですが、上品だったそれに比べさすが地元でしょうか、洋ガラシもしっかりきいていて大変おいしゅうございました。ついでに注文したカメ刺しもクセのないお味でおいしくいただきました。本当なら島に泊まってこういうところで島酒をチビチビやりてえよなァ、という恩田さんに一同深く深くうなずいたのでありました。いやごちそうさまでした。
さて、港で椎名さんたちと合流し、お土産物など買い込んで船に戻ることに。なんかもうあっという間だったなあ…というつぶやきが誰からともなく漏れてきます。遊びじゃなくて仕事で来たんですけども。そうして後ろ髪引かれつつ父島を離れた一同は再び船上の人となりました。やがて出港の時が近づきます。セイルアウェイパーティーが開かれるというので早めにデッキへ出てみると、もうすでにたくさんのお客さまがグラスを手に手に語らっていました。
ふと椎名さんを見つけたので、僕らもグラスを片手に比較的すいていた船の後部に移動しました。ほどなく大きな汽笛を合図に飛鳥Ⅱをゆっくりゆっくり動き出します。一艘のタグボートが最後まで方向転換のお手伝い。そうしてあの有名なお見送りの風景へ。手を振りながら並走する地元の漁船やクルーザー。そしていってらっしゃい!のかけ声とともに海へダイブする時にはデッキから大歓声があがりました。
(やっべぇ…目から汗が出てきやがる……)
そんなカッコをつけるヒマもなく、素直に椎名さんと2人でウルウルしていたオヤジでありました。テレビなどで見て知ってはいたものの、実際にそんなシーンを目の当たりにするとやっぱり感極まるものです。それに個人的にはちょっと伏線がありまして、先ほどの作業を終えたタグボートだけは並走せずにその場で見送っていたのですが、飛鳥Ⅱがちょうど二見湾から出たところで不意に甲高い汽笛を鳴らすと、きびすを返して港へ戻っていったのです。それはまるで我が子の旅立ちの無事を見届けた母親のようでした。ってあ、ここは父島なんだから父親でしたか。どうでもいいすか。ともかくそんな姿にグッときて汽笛も切なく胸に突き刺さっちゃったもんだから、それでもうココロのダムはいっぱいいっぱいだったのです。ウルウルですんでよかったぉ…。
by cicocico
| 2014-10-26 01:38
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